Mt. Whitney
“行きたい”を支える
勝手を知らない海外、
何がワカラナイかが分からない
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けど1からやるの大変…
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どんなところ?
何がすごい?
Mount Whitney[ホイットニー山]の一番の魅力は、なんといってもアメリカ合衆国本土の最も高い山(標高4,421 m)であることです。
※アメリカ合衆国本土とは、それぞれカナダと太平洋で隔てられるアラスカ州とハワイ州を除いた48州のこと。
さらに、高い登山技術や専門的な装備がなくても、体力があれば登頂できる数少ない高峰の一つです。この挑戦への手軽さが、人気の理由の一つでもあります。
富士山(3,776 m)より高い山に挑戦したい人にとっては、ちょうどいいステップアップになるはずです!
アメリカのどこ?
カリフォルニア州の中部、シエラネバダ山脈にあります。
*近くには
セコイア国立公園やデス・バレー国立公園、ヨセミテ国立公園など、アメリカでも屈指の国立公園があります。
伝統的な登頂コース
この記事ではホイットニー山を登頂する王道コース、往復35 kmのMount Whitney Trailを紹介します。
なおプチ情報として、Mount Whitney Trail以外にも、猛者たちが挑む有名かつ伝統的な登頂コースが2つあります。
必須手続き
はじめに読んで
ホイットニー山を登山するには許可証が必ず必要です。
登山の希望日に応じて、入手方法は下記表のとおりです。なおこの章では、入手方法に関する注意が多い「抽選」と「空き枠」についてのみ説明します。
冬季登山の許可証を「普通に申込む」際は、申込み方法がほぼ同じの項目「空き枠|申込もう」をご参照ください。
*注意
過去には空き枠の許可証などをビジターセンターで入手できる場合がありましたが、今はオンラインしか受け付けていません。
料金
1/2抽選・予約料金
抽選の申込み、あるいは許可証の予約(空き枠など)を行うためにUS$10を支払います。抽選の場合、落選しても払い戻しはありません。
2/2許可証発行料金
当選した、あるいは予約できた許可証を発行する場合は追加で、年齢に関わらず1人につき、US$15です。悪天候やコース閉鎖等いかなる場合でも払い戻しはありません。
抽選|いつ申込む?
2月1日〜3月1日の間、1年のこの時期だけ、抽選の受付が行われます。
シーズン中(5月1日〜11月1日)の登山の許可証には、発行数に上限があります。そして、発行数の全数が抽選の対象です。つまり抽選を逃すと、許可証を入手できる可能性が大幅に減ります。
抽選|申込もう
1/2公式サイト
政府機関によって運営される公式サイト「recreation.gov」にて、先行抽選の受付が行われます。(「Mt. Whitney Permit」と検索しても見つかります。)
2/2申込む
主に5点を記入して申し込みます。
※個人の申込みは1回まで。2回以上の申込みをすると失格になります。
抽選|当選したら
抽選結果は3月中旬に、登録したメールアドレスに通知があります。
当選したら、当選した内容(日にち等)を確認します。当選内容に問題がなければ、案内に従って手続きを行いましょう。
特に次の2点に注意しながら、許可証を“手に取る”までは油断せず、早め早めの行動を心がけましょう。
1/2許可証発行料金の支払い
期限内までに許可証発行料金を支払わないと、キャンセル扱いとなってしまいます。
2/2許可証の受け取り
後日案内される期限内までに、許可証を印刷あるいはEastern Sierra Visitor Centerまで受け取りに行かないと、キャンセル扱いとなってしまいます。
抽選|当選するコツ
1/3土日祝日を避ける
希望が集中する土日祝日は、できるなら避けることが望ましいです。
2/3満月の日付を避ける
長い行動時間を要するため、早朝などの夜間に行動することが想定されます。また単純に、夜景を楽しみたいという理由などにより、満月など月明かりがある時期に希望が集中する傾向にあります。
3/3少人数
許可証の発行数に上限があり、当選順に、当選者とその同伴者の人数で枠が埋められていきます。つまり枠数が少なくなる最後の方は、残った枠数に収まるグループ人数の申込みしか当選しません。
空き枠|いつ申込?
1/2空き枠への受付開始
4月22日7:00 AM(PST時間)に、抽選にて埋まらなかった空き枠への申込みが受け付けられます。
空き枠への申込は早い者勝ちであるため、受付開始のタイミングが一番選択肢が多く、勝ち取る可能性も高いです。
2/24月22日以降も
空き枠の状況は毎日更新され、埋まっていた枠がある日突然、空き枠となることもあります。
空き枠ができる背景には、当選辞退・人数変更・発行料の未払い・許可証の未受け取りなどさまざまです。つまりギリギリまで可能性があるので諦めずに!
空き枠|申込もう
1/3公式サイト
政府機関によって運営される公式サイト「recreation.gov」にて、空き枠への予約受付が行われます。(「Mt. Whitney Permit」と検索しても見つかります。)
2/3空き枠の確認
上記2点を入力すると、条件に当てはまる空き枠の日にちが表示されます。その中から希望日を選択します。
3/3申込む
主に2点を記入して申し込みます。
空き枠|予約したら
空き枠を予約できたら、登録したメールアドレスに通知があります。案内に従って手続きを行いましょう。
特に次の2点に注意しながら、許可証を“手に取る”までは油断せず、早め早めの行動を心がけましょう。
1/2許可証発行料金の支払い
期限内までに許可証発行料金を支払わないと、キャンセル扱いとなってしまいます。
2/2許可証の受け取り
後日案内される期限内までに、許可証を印刷あるいはEastern Sierra Visitor Centerまで受け取りに行かないと、キャンセル扱いとなってしまいます。
アクセス
交通手段
車で行くことが現実的な交通手段です。ここに限らずアウトドアの名所、また良くも悪くも車社会のアメリカでは、車が唯一の交通手段となるケースが多いです。
トレイル入口
Mt. Whitney Trailheadがトレイル入口になります。周辺には駐車場や売店、トイレがあります。
ビジターセンター
Eastern Sierra Visitor Centerは、様々な団体の職員にて運営され、ホイットニー山を含む一帯を管理しています。
来訪者に大自然の体験、キャンプ場、道路、天候などの情報も提供しています。さらに、ここで許可証を受け取ることもできます。
コース
コース概要
1/3運動センス
道幅はあるものの、片側が切り立った斜面となるトレイルが終盤は多くなります。疲労感もあり、空気の薄い標高でも、確実な足運びができることが重要です。
とはいえ、これはどちらかと言うと持久力に関わる問題であり、それ以外で言えば高い運動センスは必要ありません。
雪や氷がある冬季でなければ、高い登山技術・専門的な知識・冬山装備などを必要としない、非テクニカルなコースです。
2/3持久力
技術面では易しくとも、総距離と標高によって高い持久力が求められ、登頂難易度は高いです。多くの登山者が毎年のように、疲労・病気・怪我によって行動不能になり、死亡事故の例もあります。
とはいえ良くも悪くも、軽装で“普通”な感じの人が登頂できてしまうのが実際のところです。必要以上に不安になる必要はありません。
油断せず、しっかりとした体力を身につけ、引き返す勇気も持ってぜひ挑戦してください。
3/3水場
9.9 km地点のキャンプ地までは、水を補給できる水流や水場がたくさんあります。
政府機関はフィルターでろ過など、適切な処理を行うことを推奨しています。とはいえ直接飲む人も少なくないくらい、キレイな水です。
富士山との比較
参考までに、日本の最高峰である富士山のコース概要が上記の通りです。
全体としてホイットニー山の方が緩やかな登りとなります。一方で、総距離が圧倒的に長く、標高が高い分負荷も大きいです。
最低限の目安として、余裕をもって富士山を登頂できるくらいの体力は身につけたほうがいいでしょう。
その他注意点
1/3高山病
持続的な頭痛、睡眠障害、めまい、疲労感、食欲不振、吐き気や嘔吐などの症状が出た場合は高山病の可能性があります。休憩と水分補給をした後に、悪化する前に引き返しましょう。
2/3車に食べ物
熊の生息地帯です。車に食べ物を置いて行かないようにしましょう。窓ガラスを割って入ってきた事例もあります。
3/3天気と雷
空には常に注意を向けましょう。短時間に雲が増えるのを確認した場合は、天候が荒れる可能性が高いです。また雷の音がした場合は山小屋に避難するか、すぐに引き返しましょう。
準備・持ち物
以下の項目は特筆してお伝えしたい準備・持ち物の情報です。それ以外に関しては天候や登山に適した、個人のスタイルに合わせての準備で問題ないです。
1/6許可証と身分証明書
レンジャーは許可証と身分証明書の両方の提示を求めることがあるため、写真付き身分証明書の写しなどを準備しましょう。
2/6ヘッドライト
まだ日の上らない早朝に出発することになると思います。あるいは、夜になっても下山が終わらない場合も容易に考えられます。
ヘッドライトが理想ですが、何かしらライトの準備を忘れずに。バッテリーを確認することも。
3/63リットル分の水筒
最後に水分補給できる9.9 km地点のキャンプ地から頂上までの往復で、3リットルの水を用意することを政府機関は推奨しています。
水筒がなければ、複数のペットボトルとかでいいでしょう。
4/6悪天候を想定した服装
夏でも山頂ではかなり涼しく、風も強いです。また予報が良くても、山の天気は不安定で変わりやすいです。
5/6+1日分程度の行動食
日帰りの場合、できれば想定外の野宿に備えた簡易装備があるのが理想ですが、少なくとも多めの行動食を準備するようにしましょう。
6/6地図
ほとんどの場面で必要ないですが、たまに迷う可能性があるような場所もあります。
オフラインでも確認できる地図アプリなどを準備しましょう。Googleのオフラインマップでも正確に確認でき便利です。
筆者コメント
最後まで読んでいただきありがとうございます。
乗り越えないといけないハードルが多く、そもそも海外での冒険に不安も少なくないと思います。順を追った解説で、少しでも負担を取り除けたのなら嬉しいです。
慣れ親しんだ日常と違い、不確定というスパイスが多い分、良い事も挑戦的な事もたくさんあると思います。それらがあなたの思い出を豊かに彩ってくれることを、心より願っております。