Reflection Canyon
“行きたい”を支える
勝手を知らない海外、
何がワカラナイかが分からない
自分に合っているか不安、
不安だからこそ綿密に調べたい、
けど1からやるの大変…
流れでわかる、
整う
ここでは必要な全ての情報を、
時系列的な流れで、
効率的にわかりやすく説明します。
項目を順に追うだけで、
計画作業が超簡単に!
どんなところ?
何がすごい?
Reflection Canyon の特徴を一文で表すなら、それは「冒険の先にある景色」です。ありきたりで、どこにでも当てはまりそうな表現ですが、ここほどその表現に見合うスポットもなかなかでしょう。
目印も足跡もないに等しく、頼れるのは地図のみ。人がいることは稀で、だだっ広い大地を進むそれはまさしく冒険。そして最後に待つは、世界でもここでしか見られないような景色です。
人を寄せ付けないほど難易度が高いわけでもなく、訪れた人は皆最高評価をつけます。それにも関わらずここまで手付かずで人の気配がないことが、ただただ不思議です。
アメリカのどこ?
ユタ州南部、グレン・キャニオン国立保養地のパウェル湖に面した場所にリフレクションキャニオンはあります。
*近くには
ここまで来る道中にはたまらなく楽しい Peek-A-Boo & Spooky Slot Canyon があります。また南西には超有名な The Wave があります。
シーズン
年間を通して行くことができますが、最適なシーズンは3〜5月、あるいは9〜10月です。その理由は下記3点です。
1/3水位
リフレクションキャニオンの最高の状態を拝みたい場合、パウエル湖の水位が大事になってきます。なぜなら水位が高すぎると、その魅力的な地形のほとんどが水の中に沈んでしまうからです。
低ければ低いほど望ましいですが、水位が1,100m以下であれば満足のいく景色を見ることができます。その条件を満たすのが例年9〜5月の間になります。なお例年2〜4月に最も水位が低くなリます。
2/3気温
晩秋から春先までの冬季の時期は、気温があまりにも低いです。日帰りも可能ですが、テント泊をするのが一般的で、その場合はあまりにも荷物が増えてしまい都合が悪いです。
逆に夏は、水場も日陰もない灼熱の大地を進まなければならず、何かあった際にあまりにも危険です。
3/3雨天
雨がよく降る時期になると、四輪駆動(英:4 by 4、4wheel-drive)の車ですら通れないほど、トレイル入口までの道路の状態が悪くなります。
複数日の場合
まず読んで
日帰りでこのハイキングを行うなら、この章は読み飛ばして大丈夫です。
ただ日帰りも十分満足度は高いですが、リフレクションキャニオンに訪れる多くの人は、日の入・日の出を見るために複数日でこのハイキングを行います。
複数日の場合は、続く項目を確認しましょう。
許可証の申込み
Escalante Interagency Visitor Center で許可証の申込みを行う必要があります。とはいえ予約も料金も必要なく、どちらかというと登山届みたいなものです。
ちょうどいいのでトレイル入口までの道路状況やパウエル湖の水位など気になることをここで聞くといいでしょう。
キャンプ
ゴミ袋、トイレットペーパー、テント、ガスバーナー、寝袋、敷きパッドなど、個人のスタイルに合わせて宿泊用品を準備しましょう。
1/2動物
目撃するのは稀ですが、サソリやガラガラヘビの生息地です。特に夜間は手や足を置く場所に注意したり、靴に足を入れる前に中を確認するようにしましょう。
またネズミなどの動物もいるため、食べ物などの管理はしっかりと行いましょう。
2/2テント無しで
虫や動物が気にならないのであれば、テントを張らずに、地面の上で一夜を過ごす人も多いです。
アクセス
交通手段
車で行くことが現実的な交通手段です。ここに限らずアウトドアの名所、また良くも悪くも車社会のアメリカでは、車が唯一の交通手段となるケースが多いです。
また下記2点の通り、特別な車が必要になります。近隣都市のレンタカー屋で乗り換えたり、他のハイカーの車に同乗させてもらったりと、車の準備が一番の難関かもしれません。
1/2車高の高い車
トレイル入口までの道は舗装されていない険しい道です。そのため車高が高い(英:high-clearance)車が必須と言っていいです。
2/2四輪駆動の車
道が雨でぬかるんでいる場合は、四輪駆動(英:4 by 4、4wheel-drive)の車が必須です。そして、それですら通れない可能性だってあります。
車の走行時の注意点
1/4制限速度を守る
道路が荒く、パンクする可能性が高い道を走ります。パンクしないためには、制限速度を守りましょう。
さらに道路の状況によっては、制限速度よりもゆっくり慎重に走る必要がある時もあります。
2/4タイヤの空気圧
パンクのリスクを下げるため、タイヤの空気圧を25%ほど下げる方法もあります。ガソリンスタンドなどでやってもらえることもあります。
3/4道路状態の確認
Escalante Interagency Visitor Center にて、道路や天気の最新情報を確認すると安心です。
4/4パンク時の準備
予備のタイヤがあることを確認しましょう。また電波がない可能性が高いので、タイヤ交換の方法もわかるようにしましょう。
トレイル入口
トレイル入口は、小さな駐車場 Reflection Canyon Trailhead (座標:37.25209, -110.97352)になります。
国道12から分岐する道 Hole-in-the-Rock Road を約80 km進んだ先の右手にあります。標識などはないので、地図を見ながら道の右手に注意しながら進みましょう。
*2〜4時間かけて
トレイル入口までは、車の性能や道路状況によって2〜4時間かかります。特に最後の16 kmくらいは約1時間かけるつもりで、かなり速度を落として慎重に走ることになると思います。
ビジターセンター
Escalante Interagency Visitor Center は、様々な団体の職員によって運営され、国定公園を含む約100万エーカーの地域の地質や生態系に関する情報を提供しています。
ハイキング当日のコース状況などの質問はここで聞きましょう。さらに、もしリフレクションキャニオンで夜を過ごすのであれば許可証が必要で、申込みはここで行います。
コース
コース概要
1/3ナビゲーション
コースには標識や目印が全くありません。雨風で消えそうなうっすらと続くトレイルや、ケルン(石を積み重ねた目印)があったりなかったりする程度です。
また決まったコースがあるわけでもないので、足跡やケルンに気を配りながらも、基本的にはGPSと周辺の地形を頼りにざっくりと進んでいきます。なので高いナビゲーション能力が必要です。
とはいえ今の時代はGPSがあり、次項「コース詳細」でも説明する通り、頼りになるわかりやすい地形もあります。必要以上に不安にならず、適度な緊張感を持って楽しんでください!
2/3持久力
水場がないので、必要な分の水分を持ち運ばなければなりません。それら荷物の重量を運びながら、長距離を歩きぬく体力が必要です。
3/3運動センス
赤い砂岩が主体の緩やかな地理のため、高い運動スキルがなくても大丈夫です。
コース詳細
崖に沿って3/4を進む
リフレクションキャニオンまでの行程の3/4までは、コースに並行して隣にある、長い崖が重要になります。(行きの場合は)常に右手に、この崖があるように意識して進みましょう。
この崖から離れすぎると東側にある、入り組んだスロットキャニオン(深く、幅の狭い曲がりくねった渓谷)に迷い込んでしまいます。
四角い崖まで
崖に沿って進んでいくと、いずれ崖がキレイな四角い形になる場所があります。ここより先は、崖から離れて南東に進んでいくことになります。
約9 km地点にあるこの特徴的な地形を、見逃さないようにしましょう。
ビュートの方向へ
崖から離れると、進むべき道の判断が少し難しくなりますが、それでも道標となる特徴的な地形が一つあります。それが遠方に見えるビュート(周囲の地形から突然にそびえる丘)です。
このビュートを目指し、近づくにつれて左手(北東)に迂回するように進みます。ビュートに向かってまっすぐ進みすぎると今度は、ビュート一帯の高低差のある地形から降りれなくなります。
ビュートをうまく迂回できたら、リフレクションキャニオンはすぐそこです。
準備・持ち物
以下の項目は特筆してお伝えしたい準備・持ち物の情報です。それ以外に関しては天候やハイキングに適した、個人のスタイルに合わせての準備で問題ないです。
1/4たっぷり+αの水分
乾燥した砂漠地帯で水場はありません。道中でパンクしたり、渓谷で迷ったり、身動きが取れなくなる可能性が少なからずあります。
予期せぬ事態にも備え、十分な水分の準備が必要です。また1〜2日前からも、こまめな水分補給をオススメします。
2/4地図と地形
コースには標識や目印が全くなく、基本的にはGPSと周辺の地形を頼りにざっくりと進んでいきます。
GPS機器やオフラインマップなどの準備はもちろん、リフレクションキャニオンまでの大まかな道順や特徴的な地形の予習をしましょう。
3/4トレイル入口までの準備
トレイル入口までの車の運転も、このハイキングの一つの山場と言えます。「アクセス」の「車の走行時の注意点」を確認して、適切な準備をしましょう。
通信電波がないので、トレイル入口の位置情報をオフラインマップに保存することも忘れずに。
4/4ヘッドライト
暗闇の中を行動しないといけない可能性も少なからずあるでしょう。
ヘッドライトが理想ですが、何かしらライトの準備を忘れずに。バッテリーを確認することも。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
乗り越えないといけないハードルが多く、そもそも海外での冒険に不安も少なくないと思います。順を追った解説で、少しでも負担を取り除けたのなら嬉しいです。
慣れ親しんだ日常と違い、不確定というスパイスが多い分、良い事も挑戦的な事もたくさんあると思います。それらがあなたの思い出を豊かに彩ってくれることを、心より願っております。