Highline Trail
“行きたい”を支える
勝手を知らない海外、
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どんなところ?
何がすごい?
グレイシャー国立公園には、その広大な面積ゆえに数多くのハイキングコースがあります。その中でも Highline Trail は公園内最高、またアメリカ随一のコースとして知られています。
このコースが人気の理由は、グレイシャー国立公園の魅力が集約されたようなコースだからです。それすなわち美しい野生の花々、壮大な氷河と高山景色、野生動物の観察などです。
さらに長距離コースではあるものの日帰りできて、登る標高差が小さく、専門的な装備や技術も不要です。この挑戦への手軽さも、人気の理由の一つなのでしょう。
アメリカのどこ?
グレイシャー国立公園はモンタナ州の北部、カナダ国境付近にあります。
*近くには
アメリカで最も有名な観光スポットの1つ、イエローストーン国立公園が南東にあります。このことから、2つの国立公園を数日かけて一緒に楽しむモデルコースが人気です。
シーズン
6月上旬〜10月中旬、もっと言えば7月〜9月中旬までが、ハイライン・トレイルを行える現実的なシーズンです。理由は2つあります。
1/2通行止め(6月上旬〜10月中旬)
ハイライン・トレイルは公園内の Logan Pass [ローガン峠]付近にあります。そしてこの峠までの道は、夏季以外は通行止めとなります。
峠道の開通日程は決まっておらず、全て天候次第ですが、例年6月上旬から10月中旬にかけて開通します。(過去のデータが気になる人はこちらから。)
2/2シャトルバス(7月〜9月中旬)
ハイライン・トレイルは縦走コースで、始点・終点間の道路12.4 kmをつなぐ無料シャトルバスを利用するのが一般的です。そしてこのシャトルバスの運行時期が、7月1日から9月中旬までです。
( “9月中旬” の詳細日程についてはこちらの「Fall Reduced Service」に記載。)
ただ縦走ではなく往復に変えることもできるので、この点に関しては柔軟に対応できます。(詳しくは章「コース」の項目「往復コースにする」で説明します。)
手続き
読み飛ばしていい人
車で園内を走る予定がない人は、この章は読み飛ばして大丈夫です。また、車がなくともハイライン・トレイルをハイキングすることは可能です。
ただ章「アクセス」でも説明する通り、ハイキングのやりやすさ的には車で行くことが一番オススメです。
さらに、この章の焦点となる公園内の道路 Going-to-the-Sun Road をドライブすること自体が、グレイシャー国立公園の有名な見所でもあります。
概要|まず読んで
公園内のいくつかの道路はシーズン中、交通規制が行われます。そしてそれら道路を車で走りたい場合は、通行予約(Vehicle Reservation)を申込む必要があります。
ハイライン・トレイルがある Logan Pass [ローガン峠]につづく道路も、交通規制の対象です。交通規制の条件や、通行予約の概要は以下のとおりです。
1/4対象道路とチェックポイント
Going-to-the-Sun Road を、西側の Apgar Check Point から入園して走りたい場合は規制対象です。
2/4対象時期と時間
例年5月下旬から9月中旬にかけて、6:00 AM〜3:00 PMの時間帯に道路を使って入園する場合は規制対象です。
3/4申込み時期
通行予約の申込みには2種類、先行(120日前)と直前(前日)があります。
4/4有効期間
通行予約の有効期間は、希望日の1日分のみです。(以前までは希望日から3日間有効でしたが変わりました。)
通行予約がなくても
前項に書いた交通規制の概要を読んでも分かるとおり、通行予約(Vehicle Reservation)がいらない場合が3つあります。
1/3東側から
公園の東側 St. Mary から入園する場合。
2/3早朝に
6:00 AMより早く(あるいは3:00 PM以降)、 Apgar Check Point を通過する場合。
3/3エリア内サービス
対象エリア内で宿泊やキャンプ、商業ツアーなどのサービスを予約している場合。ただし、この例外が適用されないサービスもあるため、それらサービスの予約時に詳細を確認しましょう。
通行予約|料金
US$2を、オンライン申込みの際に支払います。支払い後の返金はできません。
通行予約|いつ申込
通行予約(Vehicle Reservation)の申込みには、上記2つの時期があります。どちらの場合も受付は特定の各日に行われます。特定の希望日があるのであれば、申込み時期を忘れないように。
また予約は先着順です。当然ながら受付開始のタイミングが、予約できる可能性が一番高いです。
通行予約|申込もう
1/3公式サイト
政府機関によって運営される公式サイト「recreation.gov」にて、予約の受付が行われます。(「Glacier National Park Vehicle Reservations」と検索しても見つかります。)
2/3希望日と台数の選択
希望日には、申込む日の1日後(直前)と120日後(先行)のいずれかの日にちを選ぶことができます。
台数には、通行予約が欲しい車の台数を選びます。
3/3予約する
案内に従いながら、基本情報(氏名、連絡先、住所など)の記入や支払いを済ませます。
全体の料金
1/2入園料
当記事の読者なら、次のいずれかになるでしょう。(一応、他の場合も気になる人は、詳細はこちらです。)
2/2通行予約
車で園内を走る予定なら、US$2にて通行予約が必要な場合があります。詳しくは章「手続き」にて説明しています。
アクセス
国立公園まで
グレイシャー国立公園までの移動手段は、ツアー・シャトルサービス・タクシー・レンタカーなど何通りもあります。あなたの旅に最適な手段を準備しましょう。
トレイル入口・出口
ハイライン・トレイルは縦走コースのため、コースの始点と終点が異なります。
1/2トレイル入口
無料シャトルバスのバス停 Logan Pass のそばにあります。大きな駐車場やビジターセンター、水の補給場所もあります。
2/2トレイル出口
無料シャトルバスのバス停 The Loop のそばにあります。小さめの駐車場やトイレがあります。
無料シャトルバス
※各バス停の番号は、わかりやすくするために当サイトが付番しました。実際のバス停には番号は付いていません。
グレイシャー国立公園にはシーズン中、 Going-to-the-Sun Road を無料シャトルバスが運行しています。
そしてシャトルバスには Labor Day(9月の第1月曜日)の前後によって、いくつかの種類があります。
1/3特急|7月1日〜 Labor Day
早朝のみに運行するWest Side(西側|①・⑥間)、そしてEast Side(東側|⑥・⑬間)の特急シャトルバスです。
2/3各停|7月1日〜 Labor Day
⑥発:7:00 PM
⑥発:7:00 PM
⑥発:7:00 PM
⑥発:7:00 PM
West Side(西側)と East Side(東側)をさらに2つに分けた、計4つの区間を走る各停シャトルバスです。
3/3Labor Day 翌日〜9月中旬
Labor Day 以降は、特急バスが無くなり、各停バスの運行頻度もやや下がります。 “9月中旬” の詳細日程についてはこちらから。
シャトルバス注意点
ハイライン・トレイルは長時間のコースです。そのため、シャトルバスの運行時間という制約はなかなか大きいです。始発・最終時間はもちろん、片道にかかる時間も忘れずに予定を考えましょう。
*車のメリット
車の大きなメリットは、シャトルバスの始発時間よりも早くハイキングを始められます。
コース
コース概要
1/4シンプルなコース
足場は安定しており、標識もしっかり整備されているので迷う余地もありません。景色を楽しみながら、淡々と歩みを進めていくだけのシンプルなコースです。
高い山を登らずに壮大な高山景色を眺めたいのならば、ハイライン・トレイルほど素晴らしいハイキングもなかなかないです。
2/4運動センス・持久力
最初の2 km弱は、左側がほぼ崖となっており、一番スリルのある区間です。とはいえ右手のケーブルを手に取りながら、着実に進めば何の問題もありません。
また持久力の点においても、距離こそ長いものの、ほぼ平坦か下りがメインのハイキングです。
3/4水場
トレイル入口付近にある Logan Pass Visitor Center に、水を補給する場所があります。それ以降はありません。
4/4Granite Park Chalet
11.9 km地点に Granite Park Chalet というロッジがあります。
ピット式トイレや水、フリーズドライ食品の販売など基本的な設備が整っています。なので休憩するのにぴったりな場所です。予約すれば宿泊することもできます。
必見の寄り道
コースの10.6 km地点には、 Grinnell Glacier Overlook と呼ばれる園内屈指のビューポイントへの分岐点があります。
そのビューポイントには、6つの湖(Upper Grinnell, Lower Grinnell, Josephine, Swiftcurrent, Sherburne, Lake McDonald)、2つ氷河(The Salamander Glacier, Grinnell Glacier)、西に Lake McDonald Valley 、東に Many Glacier と見どころ盛りだくさんの最高の景色が待っています。
往復2.7 kmで標高差300 m弱を登り下りするので “ちょっとした” 寄り道ではありませんが、頑張るだけの価値があります。
往復コースにする
もし縦走することが不都合であれば、ハイキングの総距離をさらに伸ばしてでも、ハイライン・トレイルを往復する人も多くいます。
その場合の引き返しポイントには、10.6 km地点にある Grinnell Glacier Overlook への分岐点か、11.9 km地点にある Granite Park Chalet が選ばれることが多いです。
いずれも標高差が小さいうちに引き返せるポイントになります。
準備・持ち物
以下の項目は特筆してお伝えしたい準備・持ち物の情報です。それ以外に関しては天候やハイキングに適した、個人のスタイルに合わせての準備で問題ないです。
1/4たっぷりの水分
トレイル入口付近にある Logan Pass Visitor Center 以降に水場はありません。当日の天気に合わせて十分な水分を準備しましょう。
2/4熊スプレーと予習
熊の生息地帯です。熊スプレー(英:Bear spray)を準備し、1〜2秒で取り出せる場所に保管しましょう。なお、熊よけ鈴はかえって熊の興味を引くことがあり、使わないことが推奨されています。
熊スプレー以外にも、大きな声での会話など発声することや、茂みや木々が多い場所では周辺に注意するよう心がけましょう。
熊に遭遇した際は、咄嗟な動きや大声を出さないように「落ち着いて」、目を離さずゆっくりと後ずさりながら「距離を取り」、熊が去るのをじっくり「待つ」ことを忘れずに。
3/4双眼鏡や望遠カメラなど
運が良ければ鹿やシロイワヤギ、ビッグホーンなどの野生動物を見かけることがあります。
規則によって近づくことはできませんが、観察することはできます。そんな際に双眼鏡などがあると、ハイキングがさらに楽しくなります。
4/4最新情報の確認
最新の情報を確認しましょう。コースやシャトルバスの状況は、熊の活発化や天候などの予期せぬ理由で変更されることがあります。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
乗り越えないといけないハードルが多く、そもそも海外での冒険に不安も少なくないと思います。順を追った解説で、少しでも負担を取り除けたのなら嬉しいです。
慣れ親しんだ日常と違い、不確定というスパイスが多い分、良い事も挑戦的な事もたくさんあると思います。それらがあなたの思い出を豊かに彩ってくれることを、心より願っております。